フィボナッチ数列は多くのトレーダーが重視しているテクニカル指標です。ラインの引き方や具体的な使い方を解説していきます。
フィボナッチとは?
フィボナッチ数列は、イタリアの数学者レオナルド=フィボナッチが生みだした数字の規則性の事を指します。
次の数列を見て下さい。数列にはある規則性があります。
「 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233,377・・・」
これは左の数字と右の数字を足したものです。また足してできた数字にはもう1つ規則があります。
★1つあとの数字で割ると、0.618になる
(例) 5÷8=0.618
★2つあとの数字で割ると、0.382になる。
(例) 5÷13=0.382
★3つあとの数字で割ると、0.236になる。
(例) 5÷21=0.236
この0.618、0.382、0.236のことを「フィボナッチ比率」または「黄金比率」と言います。
フィボナッチ比率は芸術作品や建築物によく使われています。例えばエジプトにあるピラミッドは綺麗な三角形をしていますよね。
それはデコボコな形にならないよう寸法を合わせているからです。人間には本能的に規則性を求めたがる傾向があるのです。
フィボナッチの引き方と使い方
ここまでは完全に数学の内容で、投資とは縁がないように感じます。しかしフィボナッチは投資家の心理をよく表しています。
株価は一方的に上げ続けたり、下げ続けたりすることはありません。上げ過ぎれば利確売りが出ますし、下げ過ぎればリバウンド狙いの買いが入ります。
その戻り目安としてフィボナッチは有効に機能します。株やFX・225先物など投資系のチャートすべてに応用が可能です。
実際のチャートを使ってラインを引いてみます。
23.6%、38.2%、61.8%の3つのラインに50%を加えたものです。この4つのラインは戻り目途として意識されやすい傾向にあります。
チャートを見ると、AからBまで強力な下落トレンドが発生。そこから安値買いが入りリバウンドを試すような動きになっています。
Cの23.6%、Dの38.2%、Eの61.8%はいずれも節目となっており、ライン付近で再び下落しているのがすぐにわかるかと思います。
株やFXのチャート分析に効果絶大!
フィボナッチを覚えておけば、急騰後の調整や急落後の戻り目安をある程度予想することができます。すべてがその通りになるわけではありませんが、覚えていれば有利になることは間違いありません。
分足よりも日足。日足よりも週足、月足と期間が長くなればなるほどフィボナッチは機能しやすくなります。私は225先物のデイトレやスイングでよく活用しています。
個人的に最も重要なのは23.6%だと思っています。強い上昇トレンドでよく見られるのですが、このラインまで下げてから再び上げに転じる場合が多いです。
「押し目買い」「戻り売り」などは投資でよく使われる言葉です。その一方で売買するタイミングについては迷ってしまいがちです。
フィボナッチはエントリーでも決済でも使えます。移動平均線やRSIとともにチャート分析をするうえで知っておきたいテクニカル指標です。